前号の「ドイツ視察ルポ」では、私が2025年末に強行軍で駆け抜けたドイツの「リアルな横顔」をお伝えしました。難民の急増による治安の悪化や貧富の差など、社会的な影響を感じながら各地を走破したからこそ見えたのは、私たちが抱いていた「かつての豊かなドイツ」とは異なる、緊張感に満ちた社会の姿でした。
その一方で、ドイツのタクシーが「壊れないから」という理由でトヨタのHV車一色だった事実は、本場のプロが道具に求める「信頼」の本質を、改めて私たちに突きつけました。
これら前編の「光と影」を踏まえ、今号の後編では、いよいよ私たちの経営に直結する「理想の整備環境」と「驚異の生産性」の核心に迫ります。
ドイツで私が最も衝撃を受けたのは、マイスターという高みを目指す整備士たちのゆるぎないプライドと、それを支える合理的なシステムでした。日本での正味作業率が約35%と言われるなか、ドイツでは「75%」という、常識を覆す数字でした。
この差はどこから来るのか。それは、設備投資をコストではなく「武器」と捉え、情報を対価を払って手に入れるべき「価値」と認識し、自社だけで頑張るのではなく、ネットワークで補完しあうという、経営のひとつの正解を実践しているか否かにあります。私は今回の視察で人生観が変わったと言っても過言ではありません。
日本の整備業界が直面している課題は、この「ドイツ流の正解」を自社に落とし込むことで解決に近づけるかもしれません。弊社もまた、単なる部品供給にとどまらず、皆様と共に「稼げるエンジニア」を育てるパートナーとして邁進してまいります。ドイツで感じた空気を、ぜひ次ページからのルポを通じて共有させてください。共に明るい未来を築いていきましょう。
(西山)
