11月末から12月初旬にかけて、ドイツを視察してまいりました。今回の視察の目的は、目まぐるしく変化するCASE時代の「正解」がどこにあるのかを、自分自身の肌で確かめることにありました。
次ページからのルポに詳述していますが、現地で目にしたのは、日本と同様にエネルギー問題や深刻な人手不足、EVシフトの足踏みといった課題に直面しながらも、力強く進化を続けるドイツ整備業界の姿です。

特に感銘を受けたのは、整備士の方々がマイスター制度を通じて明確な目標を持ち、高いプライドを掲げている点です。社会的地位の向上を見据えた環境があるからこそ、個々の努力が正当に報われているのだと感じました。ドイツの工場では、各リフトに安定化電源が完備され、診断やプログラミング作業が「当たり前の日常」として組み込まれていました。これまでの本紙でも、定電圧供給の重要性(第60号)IT化への対応(第58号)を繰り返しお伝えしてきましたが、本場で実践されているのは、まさに私たちが目指すべき「効率重視型」の理想像そのものでした。

彼らは、メーカーからの技術情報をウェブで入手することに相応の対価を払い、自社で完結できる整備範囲を明確にすることで、ディーラーに引けを取らない高い生産性と社会的地位を確立しています。

人口減少や高度化する技術革新に模索する毎日が続く日本において、私たちが進むべき道はどこにあるのでしょうか。それは、単に最新機器を導入することだけではありません。自社の強みをどこに絞り、いかに「情報のプロ」としてユーザーに納得感のある説明(見える化)を提供できるか。そして、整備士という職種をいかに「稼げるエンジニア」へと昇華させていくか、という経営の舵取りに他なりません。

ドイツで感じた「空気感」と、そこから導き出される「次なる一手」を、ぜひ次ページからの報告を通じて共有させてください。変化を恐れず、柔軟な対応力を身につけることで、私たちは必ず明るい未来を築くことができます。

(西山)