OBD検査(輸入車は令和7年10月より)の本格的運用まで、あと数か月となりますが、プレ運用後に円滑な展開ができるのか疑念が残ります。本格運用により特定DTCが検出された場合、整備事業者は取引先ディーラーとの関係も危惧しなくてはならないでしょう。それは業界全般での整備士不足であり、あらゆる面での想定が必須です。

全国の整備工場約9万軒の約50%は人手不足です。中小整備工場では一人当たりの業務の負担が大きく、整備士の高齢化による体力不足や人手不足は本当に深刻な状況です。整備士を目指す人も減っているうえに離職率も高いため、安定的に人材を確保することが喫緊の課題です。所轄官庁・国土交通省は、整備士の増員や待遇改善に取り組んでおり、国として業界の底上げを考えているようです。

新しい整備に対応できなければ、事業は縮小せざるを得ないかもしれませんが、その一方、最新技術を習得した整備士の需要は確実に高まると予測されます。車業界で仕事が無くなる訳ではありませんし、柔軟に対応できる企業が必須です。

将来的に自動車整備士の仕事内容は確実に変化していき、専門知識の習得やIT技術を必要とする業務が増えていきます。整備士にもこれまで以上に高度な業務が求められます。特殊整備士資格の中に『自動車電気装置整備士』というものがあります。今後も特殊整備資格がさらに増え、整備士としての地位は必ず向上し、ますます重要な存在となるでしょう。

次世代の自動車へ進化が進む中でも整備士としてのニーズは必ず高まります。整備工場もこれらの経営的安定を目指し、あらゆる分野へ事業展開していく企業も増えていくと予測されます。

自動車整備士は法律に基づいた資格です。技術や知識は時代によって変化しても、自動車が存在する限りこれからも重要で必要な存在であることに変わりはありません。変化は常に訪れます。柔軟な対応力を身に付け、明るい未来を築いていきましょう!

(西山)