古いBMWやMINIに多くみられるFRM(フットウェルモジュール)ライトを制御するコントロールユニット不良の症状です。車検合格のために必要な修理
BMW ISTAで診断するとFRMにアクセス可、FRMに内部ショートのフォルトがあり、Toolset32(書き換え)を使用して内容を確認、ライト関連の項目がエラーリミットに到達していてリセットも受け付けず、完全に内部故障で交換するしかありません。高額な上、中古でも非常に種類が多く、同じものを探すのが必須です。
今回、FRM3ではなくFRM2の中古しかなく、これが問題となりました。FRM3であればプログラムデータを初期化し改めてPG(プログラミング/コーディング)をかければ解決なのですが、FRM2では初期化ができません。とりあえずオリジナルのFRMのコーディングデータをバックアップし、中古のFRMを取り付けてWinKFPファイル(ECUの書き換え)を使い、VINナンバーを変更、NCS Expert(コーディングソフト)を使用してコーディングデータを読み取り、個別に変更しました。
その後はライト、ワイパーなど正常に作動できたのですが、PW(パワーウィンドウ)のスイッチが上下逆となりました。おそらくプログラミングデータの違いでコーディングデータが正常に適応できていなかったものと思われます。
今回は制御している内容が少ない車両でPWだけの不具合が残ったのみですが、制御箇所が多い車両であれば品番違いは致命的となります。
エンジンECUやイモビなど、中古ECUを使用して修理することもありますが、それぞれのタイプにより再生可能なもの、内容をコピーするもの、オンボードでないと変更できないものなど、対応方法は大きく異なりますので、その理解も必要だと思います。とりあえず、車検だけは通るようになりました。
取材協力:有限会社クラフトワーク様