日本の自動車整備業界において人材不足は大きな問題です。バブル崩壊を経て、各メーカーはコンパクトカーやミニバン等、売れるモデルに力を注ぎ、個性のある車両は少なくなりました。また2000年以降、若年層の車離れが進み、若者にとって車とは移動手段の一つでしかなく、関心も強くありません。
自動車整備学校でも生徒数は減少傾向です。就労後も、高度化する自動車整備に関する最新の情報が足りず、また労働条件も厳しいため、魅力を感じ取れないのかもしれません。
一方、海外の整備事情は異なります。欧州では国家資格を取得後、キャリアアップや技術力の向上を目指すマイスター制度による高度な技術習得する制度があります。やりがいをもって働ける環境があります。
若者が自動車整備業にもっと関心を持ち、やりがいを感じられるような教育システムが望まれています。整備士不足を解消するために、途上国からの労働者を雇用する方法ももちろんありますが、日本の将来や次世代を育てる教育を考えたときに果たしてそれで良いのか、十分に検討する余地があります。
安定した雇用のためには賃金問題も重要です。自動車整備業界では、一般的にみて工賃収益が低いケースが多くあります。これでは社会として利益率を高めるどころか、収入も低くやりがいのある仕事としての魅力も半減することでしょう。
また、高機能診断機を用いることは、整備会社としての社会的責任を果たすことにつながります。当然、お客様に対しては、専門技術料や工賃(レイバーレート)はそれなりに反映する必要もあると思います。
そもそも、整備という仕事はお客様の命にかかわるもので決して妥協できません。非常にリスクが高く社会的にも責任があり安易に価格を下げるのではなく高い技術力を売ってほしいのです。若手の方々が憧れて魅力あるべき自動車整備業が肝要ではないでしょうか。
弊社では、現場で必要なシステムトレーニングの勉強会を開催したり、正確な資料のもとで作業することで効率アップとなるように、輸入車の整備情報を発信するなどのサポートを行っています。来年度(2023)もシステムトレーニングを開催いたしますので、ご興味をお持ちの方はぜひ、ご連絡ください。
(西山)