国土交通所の告示により、2022年7月から『サイバーセキュリティとソフトウェアアップデート』が適用されます。これによりセキュリティ対策が強化され、診断機能にも制限がかかり、エーミング作業や故障診断機能へのアクセスが制限されるなど、整備作業ができなくなる可能性が出てきました。
前回に続き「MAHLE(マーレ)デジタルADAS」についてお伝えします。
MAHLEデジタルADASは、エーミング作業を正確に、すばやく簡単に調整でき作業時間を大幅に削減できます。次のような特徴を持っています。
- 65インチ液晶モニター表示により、パネルターゲットは不要
- keystone Technology(台形補正技術)左右車軸までの距離とフレームの左右位置の4点を入力することで、カメラターゲットは車両と正対するように自動補正される
①位置出しのためのアナログ測定方法が不要
②ターゲット距離は任意に設定でき工場の省スペース化を実現 - 最新データはオンラインアップデート
- TechPROスキャンツールは幅広い車両電子システムをカバー
- VCIとはBluetoothで素早く接続される
- クイックタイヤクランプホルダーは13~24インチ対応
MAHLEデジタルADASは固定パネルターゲットに代わり液晶モニターを使用して車両との正対及び距離によりターゲットを変形補正します。またフロントアクスルからステアリング軸に対して正対させる技術もあります。このデジタル技術は、世界的な認証機関TÜV(テュフ)にも認められています。
【エーミング作業内容】
ADASエーミング作業を行う場合、まずは車両が正常であることが前提条件です。これはボデーアライメントおよび4輪ホイールアライメントが正常である必要があります。また工場内の作業場所に関して次の項目が必要です。
- レーダーエーミング作業場内でターゲット検出を引き起こす可能性のある反射物をすべて削除します
- カメラエーミング作業場内で誤ったターゲット検出を引き起こす可能性のあるオブジェクトをすべて削除します
- 作業エリアに十分なスペースの確保が必要です
- ターゲットマーカーに反射した光がキャリブレーションに干渉する可能性があります
- キャリブレーション作業領域は水平でなければなりません
- 作業領域の塗装面は、不要な反射を引き起こす可能性があります
【実作業の流れ】
①車輪は直進位置にする
②運転席のウィンドウを開き診断ツールを接続
③故障コードを読み取る
④故障を修理する
⑤全ての故障コードを削除する
⑥フロントカメラが正しく取り付けされていることを確認する
⑦バッテリーをバッファ充電する
資料提供:Seiken e-Garageトレーニングセンター