EUは昨年7月、HVを含む内燃機関を2035年に実質的な販売を禁止する方針を表明しました。実際、ミュンヘン国際自動車ショーではEV一色となりました。
しかし、EV車の普及を妨げている要因の一つが充電ステーション数の圧倒的な不足です。充電拠点は2万カ所あるものの、複数の急速充電器を持つ充電ステーションは500ヵ所余しかありません。自宅での充電も、一軒家であれば簡単ですが、マンションの駐車場の各スペースに設置するには不向きであり、充電器を順番で使用することになります。
また急速充電を繰り返すと電池の老化も早まり、リチウムイオン電池も危険です。EVバッテリーが発火すると酸素を生成しながら燃焼するので、大変危険です。マンション地下駐車場での火災となれば大惨事になりかねません。
急速充電設備を備えた充電ステーションを稼働させるには、現在の10倍規模でも足りません。
電気自動車の展開で先行する輸入車ブランド勢は、150kw級の急速充電器の配置を具体化する動きを拡げており、インポーター各社では既存充電器のアップデートを含め、早期に系列拠点の充電器を増強し、EV体制の確立とユーザーへの安心感確保のために先行投資しています。
九州電力もEV事業の拡大に動き出しています。
充電拠点を拡げ、マンションなどの駐車場にもデベロッパーなどから要望があれば、個人用の充電器を設置するなど利用促進につなげるそうです。
今後の展開として考えられるのは、例えば整備工場に隣接した場所に急速充電器を設置する事です。それにより新たなEV顧客確保の新規獲得となり得ます。さらにメカニックの正しい知識や認識、技術資格のトレーニングなどで電気知識の向上や安全な作業が可能となるのではないでしょうか。
ドイツではすでに資格に新しい要件が課せられ、TÜV(テュフ)の電気自動車高電圧システム取扱者の法規に基づくトレーニングのような、特別教育を受ける必要があります。
地球環境変動への対応は待ったなしの状態です。それに備えるために今から出来ることはいろいろとありそうです。
(西山)