
各自動車メーカーは独自のシステムの構築と複雑な車両システムを搭載されたことで修理及びメンテナンス時の故障追及や交換部品には高度な対応が求められます。2000年以降の車両では13~15Vの安定した電圧がなければ正常な作業が行えないケースが増えています。
ただし通常バッテリー単体での供給電圧は13Vを超えることはありません。
そこで各メーカー側ではエンジンがかかっている時と同じ状態を外部からの充電器によって電圧供給し疑似的にその状態を作り自動車が通常使用されている同じ環境で作業が出来るようにしています。
自動車の性能や便利さが上がれば上がるほどシステムが複雑になり複数のユニットが搭載され、それぞれの機能を動かすための電力が必要となります。
実際の事例としてBMW G20のブレーキパッド及びローター交換後EPB(電子パーキングブレーキ)を手動で解除できなくなったという案件です。
パーキングブレーキのオート解除は機能するので通常走行は可能です。
- EPBの解除 パッド交換モードなどでスキャンツールの設定
- パッド/ローター脱着、交換
- ブレーキを踏んでEPBの再学習 ブレーキフルード調整
の手順で作業を行いましたが、この内容でどこがダメなのかな?と思われます。
この作業の場合にも本来必ず定電圧供給用のバッテリー充電器を接続します。
この状況に対して原因となる内容としては、EPBの作業において左右のEPBモーターの作業スピード差が著しく違うとこのような状態になるようです。
要するにバッテリー電圧が足りなかった可能性で充電器を接続していれば、不具合は回避できたということです。
BMWに限らず他メーカーでも電圧低下でECUへの指示やアクティブテストを実行すると原因不明の不具合を引き起こすケースがあります。
EPBのキャリブレーションを行うということはストップ位置をECUメモリに書き込む操作をしています。電力不足によりECUメモリに書き込みができないと最悪ECU交換という事態も想定されます。
たかがメンテナンスリセットやブレーキパッドの交換であっても定電圧供給用のバッテリーチャージャーの使用は必須といえるでしょう。
バッテリー電圧をあまり軽く考えていると痛い出費にもなりかねないと思います。
およそ2000年以降の輸入車は電気で動いていると認識することと『整備作業前に充電器を接続』という習慣を徹底することが不要なトラブルや損失を防ぐ第一歩となりえます。
BMW純正診断機ISTAでは接続時に13V以上の電圧がないと通信を開始しないため、必ず充電器の接続からが前提となりますので今回の状態には100%なっていないと思われます。